「あなたを忘れない」という韓国映画が話題です。新大久保駅でホームに転落した人を助けようとして亡くなった韓国人留学生 李秀賢さんの話ですが、事実とは異なる演出も多いようです。その演出とは?
「あなたを忘れない」という韓国映画が話題です。
新大久保駅でホームに転落した人を助けようとして亡くなった韓国人留学生 李秀賢さん、関根さんというカメラマンの方に関しての映画です。
「あなたを忘れない」は日本と韓国とのかかわりを描いたもので、いわゆる韓流映画とは全く別物と思っていましたが、主演のイ・テソンさんは正に韓流スターで、冬ソナの世界に通じる物もがあると感じられました。
監督:花堂純次 原作:シン・ユンチャン『息子よ! 日韓に架ける命のかけ橋』/カン・ヒボン『あなたを忘れない』/佐桑 徹『李 秀賢さんあなたの勇気を忘れない』
そのストーリーを簡単に書くと、
スポーツを好きで、ロックバンドのリーダーとして活動する青年だった 李秀賢(イ・テソン)は兵役を終えて大学に戻った。スヒョンは祖父の時代からの日本とのつながりを知り、自分の可能性を試そうと日本への留学を決める。来日した 李秀賢の生活は夢や希望に満ちていたが、さまざまな挫折や葛藤もあった。また、日本来て、韓国人と日本人の間に存在する心の壁を感じ、自らが日本と韓国の架け橋になろうと強く思うのだった。
そんな中、運命の日を迎えるのであった。
「あなたを忘れない」という映画は、ノンフィクションと言うことで宣伝されている映画です。しかしノンフィクションと言いながら、事実は異なる点もあるようです。
「あなたを忘れない」の中で、韓国人留学生 李秀賢が電車に向かって「止まれ!」と電車の前で立ちはだかる場面があり、その絵がポスターにもなっていますが、そのような事実はないようです。亡くなったのは電車とホームの間です。
「あなたを忘れない」に中で留学生 李秀賢には日本人の恋人がいて、差別的な日本人がいるのに対して「日本を嫌いにならないで」という場面があるが、 李秀賢の実際の恋人は、韓国人だった。
ただ、実際に、韓国人の 李秀賢さんは日本のことが大好きだったのは事実で、 天皇皇后両陛下がご覧になって、「あなたを忘れない」が「日韓友好のために役立てばいい」とおっしゃったのはこの辺のことをさしているのだろうと思います。
ただ、この「あなたを忘れない」をみた日本人の中には、韓国人からみた日本人が必要以上に悪役になっているように感じる人もいるかもしれないと思いました。
「あなたを忘れない」に描かれている内容で事実と異なる点はまだあります。
映画では雪の降る夜ですが、事故当時は降っていない。
映画ではホームに大勢の人がいましたが、当日のその時間は人はまばらで、現場付近には泥酔客と女性の3,4人がいただけで他の人は現場から遠く、付近にいた女性達の叫び声で初めて事故をを知ったのが事実で、この事故には気づいていななかった。
大勢の人がいたのは事故後の野次馬です。付近には殆ど人がいなかったのであって、周りの日本人が見て見ぬふりして、韓国人留学生、李秀賢だけが助けようとしたのではありません。
さらに「あなたを忘れない」の紹介文に、「7秒あれば李秀賢は逃げられた。でも彼は逃げなかった」と書かれているのを見かけますが、実際は7秒もなかったそうです。
おそらく「あなたを忘れない」の制作陣は、映画を感動的に作ろうとして演出を施したのでしょう。
いずれにしても、事実に基づくいていないフィクションの映画としてみれば良いことで、そう目くじらを立てることもないと思いますが、「あなたを忘れない」に描かれているのがすべて事実と勘違いしてはもらいたくないと思います。